加藤茶(68)と23才女性の45才差婚を始め“年の差婚”が続出している。ほかにも、堺正章(65)が22才下の一般女性(43)、小林薫(60)は22才下のモデル兼女優の小梅(38)とデキ再婚。なぜ女性たちは、親子ほど年の離れた“アラ還”オヤジを選ぶのか。その心理について、駒沢女子大学教授で心理学者の富田隆氏に分析してもらった。
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これほど年の離れた有名芸能人との結婚というと「お金が目当てではないか」といわれがちですが、心理学的にみたときに、そうではないと思います。
理性で考えたときに、うんと年上の男性と子供が作れるのだろうか?などとマイナス面も考えてしまいますよね。でも、そうしたことよりも、彼女たちの場合は、相手への「情熱」が上回ったといえると思います。ちなみに、不倫もこのパターンといえます。恋愛では、性的部分の情熱を優先して恋愛する人と、周囲の状況を考えた社会的な関係を望んで恋愛する人と大きくふたつに分かれるのですが、年の差婚をする人は、前者です。
米国の心理学者スタンバーグは、恋愛に不可欠な3つの要素があるといっています。ひとつは、いま挙げた「情熱」、ふたつめは共通の体験や慣れなどの「親しさ」、3つめは「コミットメント」で、この人の為なら多少の犠牲もいとわないと思えるかどうかです。
コミットメントには、「積極的に参加する」「宣言する」という意味があり、最たるものが結婚ですね。この3つがそろうと長続きしていい恋愛になります。年の差婚をした女性は、こうした3つの要素の中で情熱の占めるウエートが高かったということがいえるでしょうね。
こうした年の差の恋愛・結婚が増えてきた社会背景には、タブー意識がなくなったということが挙げられるでしょう。恋愛はこうでなければ、結婚はこうでなければという発想で考える人が少なくなってきた、ということです。
家族のあり方、結婚のあり方、恋愛のあり方など、大きな流れでいうと世の中の多様化が進んでいますよね。少なくとも若い人たちはこうした多様化を受け入れ、許容しています。これまではちょっとタブーと考えられてきたことが崩れていっています。こうしたことも、女性が年上男性と結婚する背景にはあるのではないでしょうか。