知りたくてもなかなか知ることができないのが女優たちの「カネ」の話。映画関係者が秘密のベールに包まれた実態を打ち明ける──。
「映画のギャラは割に合わない」が芸能界の常識だ。たとえば月9主演級女優の場合、テレビドラマなら1クール3000万~4000万円もザラだが、映画ではそうはいかない。大物女優でも1本300万~500万円程度に落ち着くことが多い。「1か月拘束されてその間ほかの仕事もほとんどできない。利益重視のプロダクションは映画のオファーに頭を悩ませる」(某芸能プロ社員)という。
それでも芸能プロが女優を映画に出したがるのは「格上げ」のためだ。男優・女優問わず俳優のギャラ相場は人気より実績で決まる。
「ドラマに何本出演しても女優としての商品価値は上がらない。だが有名監督の作品で主演をはったり、映画賞をとればギャラは跳ね上がる」(前出・芸能プロ社員)といわれる。
『バベル』でアカデミー助演女優賞を惜しくも逃した菊地凛子や、出演した『おくりびと』がモントリオール国際映画祭最優秀賞を受賞した広末涼子、ベルリン映画祭最優秀女優賞の寺島しのぶらの活躍を見れば、映画出演が彼女たちの「格」を押し上げていることがよくわかる。
※週刊ポスト2011年9月30日号