根強いファンがいることで有名な宝塚歌劇団だが、ここ数年、入場者数は減少している。今年2月12日付の読売新聞は、2010年度の大劇場の来場者数が100万人を割り込み、2月段階で約80万人にとどまっていると報じている。2014年には初公演から数えて100周年を迎える宝塚。宝塚ファンで作家の草葉達也氏はこういう。
「実は宝塚は“15年後にはなくなるのでは”といわれるほど危機的状況にあるんです」
天海祐希(44)や真矢みき(47)などがトップスターだった1990年代は、入場券は「プラチナチケット」と呼ばれ、団員の家族でさえ入手困難だったほどだ。それがなぜ近年になって空席が目立つような状況になってしまったのか。前出・草葉氏はこう指摘する。
「ひと言でいうと、宝塚がファンにとって身近なものではなくなったんです」
まず、2002年から独自のCS放送チャンネルを作ったために、それまでの地上波の放送がなくなってしまった。
「それまで関西では、宝塚歌劇の舞台が当たり前のように茶の間で見られたんです。それを見た子供が両親に頼んで、劇場に足を運ぶ、そんな家族連れが多かったんです」(草葉氏)
さらに2003年に、動物園と遊園地を併設した宝塚ファミリーランドが経営難のため閉鎖になってしまった。家族連れの客が多く訪れ、この施設で遊んでその後、歌劇を見るという総合テーマパークだった。
来場者数減少の原因について、草葉氏はこのふたつの理由が大きいという。
「つまり、子供のころに宝塚に接する機会が失われてしまったんです。そのため次世代のファンが育たず、観客が高齢化してしまった」
※女性セブン2011年9月29日・10月6日号