加齢やストレスなどによって体調不良を感じると、気になるのが内臓などの機能の衰え。健康診断で脂肪肝が見つかった方もいるのでは? そのまま放っておくと、機能はますます低下し、老いは確実に進行する。医学博士で管理栄養士の本多京子さんによると、脂肪肝を予防するイノシトールという栄養素があるという。
「水溶性のビタミンB群の仲間で、細胞膜を構成する成分のリン脂質の材料となるもの。果物などに豊富で、脂質の体内での移動をスムーズにして肝臓に脂質をためにくくするため、脂肪肝を予防してくれます。また、コレステロール代謝を活発にする働きがあり、動脈硬化の予防も期待されています。さらに、脳神経細胞に栄養を運ぶ働きや、神経を正常に保つために不可欠な物質なので、不足すると脱毛症や発育不全が起こることも」(本多さん)
では、このイノシトール、どのように摂取すればいいのだろう。
「水溶性なので、過剰に摂っても心配ありません。果物などは生のまま食べられるので簡単に摂取できます。他のビタミンB群やコリンと一緒にすると効率よく摂ることができます。イノシトールに含まれるフィチン酸が、鉄、亜鉛、カルシウムなどの吸収を抑えることがあります。また、乳幼児用の粉ミルクやドリンク剤などに使用されることもあります」(本多さん)
ちなみに、イノシトールが含まれているおすすめの食品は、みかん、すいか、メロン、グレープフルーツ、桃といったフルーツや、トマトのサラダ、レバー、落花生など。
※女性セブン2011年9月29日・10月6日号