「たばこ1箱700円」をぶち上げた小宮山洋子・厚労相だが、その真意は「健康のため」というより、たばこ税の所管を財務省から奪いたい厚労官僚たちへの服従を示したものだろう。だから財務省は猛然と反発し、ビビッた小宮山氏は口をつぐんでしまった。
民主党代議士秘書が、彼女の素顔を明かす。
「彼女は以前、事務所の秘書たちに『私を先生と呼んだら100円の罰金。小宮山さんと呼びなさい』といっていたが、その割に態度は非常に大きく、出されたお茶の温度が気に入らないというだけで怒る。厚労副大臣のときの秘書官なんて、『彼の歩き方が嫌いだから替えてもらえる?』っていって、危うく辞めさせられそうになっていました」
これだけなら身内の問題だが、政治家としての二枚舌は致命傷になりかねない。
小宮山氏は2006年4月の広報で、「学習教材や浄水器の訪問販売による被害」などのトラブルに対処する消費者団体制度に取り組み、「より使いやすい制度にしました」とその成果を強調した。ところが、その2か月前に開いた政治資金パーティで、浄水器の訪問販売会社社長から50万円も献金(パー券購入)されていたのである。さらに翌年、制度が施行される2か月前にも、再び同社長から10万円の献金を受け取っている。
訪問販売のトラブルに取り組む一方、当の訪問販売会社から献金を受ける。しかも同社は2003年、「水道水はプールの水や殺虫剤の入った水を飲んでいるようなもの」「がんになる場合もある」などといって浄水器を売りつけ、東京都から改善指導の行政処分を受けていた。小宮山氏側は2009年にこっそり献金を返金しているが、“がんが治る水”の不当な利益から献金を受ける人物が「厚労相」にふさわしいとは到底思えない。
※週刊ポスト2011年9月30日号