シアトル・マリナーズのイチローの「費用対効果の悪さ」が話題となっている。メジャーリーガーの成績を年俸と比較し、“格付け”しているウェブサイト『Baseball Player Salaries』によれば、イチローは調査対象選手877人中、863位(12日現在)。10年連続3割&200安打を記録しながら、まさかの最下位近くに沈んでいるのだ。
イチローの今季年俸は日本人最高の1700万ドル(約13億円)で、マリナーズ全選手の合計額の約22%を占める。にもかかわらず打率は2割7分台でチームも低迷中となれば、確かに低評価を受けても仕方がない。
条件別に見るとさらにその“燃費の悪さ”が際立つ。最もコストパフォーマンスが良いとされているマイク・スタントン(マーリンズ)と比較すると……。
●ヒット1本【イチロー】(以下イ)10万ドル(約800万円)【スタントン】(以下ス)3409ドル(約27万円)
●1試合【イ】12万ドル(約960万円)【ス】3081ドル(約24万円)
●時給【イ】1940ドル(約15万円)【ス】47ドル(約3760円)
スタントンは2010年にメジャーデビューした若手有望株の外野手だ。2人の年俸に大きな差があるのは当然だが、同じヒット1本で約30倍ものコストの違いがある。
ちなみに同サイトでは一般の職業とも比較を行なっている。それによると、イチローは1日で米国の警察官の年収を、8日間でオバマ大統領の年収を稼ぎ出すという。MLBアナリストの古内義明氏が語る。
「米国では高給取りの代名詞である野球選手の成績や年俸に、様々な検証を加えて評価される。年俸に見合う働きができないと“批判されて当然”とばかりに、日本とは比べものにならないバッシングを浴びます」
※週刊ポスト2011年9月30日号