島田紳助(55)が暴力団関係者との親密交際を理由に芸能界を引退したことを受け、紳助が所属していた吉本興業は全所属タレントならびに全スタッフに「暴力団との関係は気をつけるように」と通達した。
たしかに、人気商売の芸能人が反社会的勢力と親密なつながりを持つことは大きな問題だ。しかし、今回の紳助引退の裏では10月1日から全国で施行される「暴力団排除条例」の存在が大きくかかわっているという。
これは、暴力団に利益供与をした法人や個人は、警察の呼び出しを受けたり、名前を公表されたりするというもので、違反者には罰則が科せられる。この条例が施行されるタイミングで紳助と暴力団との交際が明るみになったため、吉本興業はコンプライアンスの徹底を印象づける目的もあり、紳助引退という選択に至ったともいわれている。
古くから暴力団とのかかわりが強いといわれている芸能界。吉本以外の事務所にとってもこの条例は無視できないと思われるはずだが、実はちょっと事情が違うという。あるお笑い系芸能事務所の幹部はこう話す。
「全国各地を営業で回っているような興行系の事務所は別だけど、普通の芸能事務所なら基本的にヤクザと関わることなんてまったくないですよ。今回の条例でビビっているのは、一部の芸能事務所だけです」
暴力団と芸能界の蜜月関係は昔の話というのだ。さらにこの幹部は続ける。
「今回の騒動も、吉本さんの問題というか、厳密にいうと紳助さんの問題ですよね。吉本さんでも99%の芸人さんが暴力団とのつながりなんてない。とはいっても、吉本さんはいろいろあるだろうから仕方ないんだろうけど、基本的にほかの事務所はわざわざコンプライアンスを強化する必要なんてありませんね。むしろ、暴力団と関係があるんじゃないかと思われて、迷惑している事務所も多いはずです」