世の中には常に自分と他人を比べたがる人がいる。そういう人は自分に自信がないので、自分が他人より劣っている点ばかり見てしまう。この悪循環から抜け出すためには「他人ではなく、過去の自分と比べるようにすることが大切」と語るのは心理コンサルタント・伊東明氏だ。
仕事上のことでも、生活上のことでもいい。例えば、3年前よりITに強くなった、3年前より息子と会話が弾むようになった……などと、過去の自分と比べ、何らかの進歩を確認できれば自信につながるし、努力しようという意欲も強まる。
「実は、過去の自分と比べるというのは、人を褒めるコツでもあります。部下や子供を評価する時、他人より優れていると褒めても、相手は“今はいいが、自分よりできる人間が現われたら、自分のことを批判するのではないか”と不安に思うものです」(伊東氏)
※週刊ポスト2011年9月30日号