『聖書』『資本論』から『アンネの日記』まで池上彰さんが10冊を厳選し、その内容と歴史的位置づけを徹底解説した『世界を変えた10冊の本』(文藝春秋・1400円)。女性誌『CREA』の人気連載をまとめた本書は、人生哲学、経済、環境…など、未来を先取りした書物の楽しみ方を簡潔に指南している。
この本を自称本好きの3人の“書評家”に読んでもらい感想を聞いた。
小説は月に3冊読むというライターのぽぷらさんは、「一冊で10冊読んだ気になるお得な本」だという。
「本の帯にあるとおり『なるほど、そうか!』。世界を変えた本という視点で読むと、『アンネの日記』も『資本論』も、とても崇高な一冊に思えて、一字一句が心に響いてきます。でも、この本に書かれている内容だけで、丸ごと一冊読んだ気になっちゃったので、たぶんオリジナルのほうは読まないでしょう。コンビニエンスをよしとする人にオススメ! 博識になった気分で、読後感も心地いいです」
「池上さんといえど難しい内容は難解でした」と語るのは、雑誌大好きなOL・ナナさん。
「『聖書』や『種の起源』など超有名だけど、読んだことはない。そんな本を池上さんが解説してくれます。それにしても政治から経済まで、なんでもご存じなのですね。知識の幅の広さにまずびっくり。しかし、池上さんがかみ砕いて説明してくれても難解な部分は多かったりして…。ただ、長く不況が続くいま、第10章の『資本主義と自由』の内容は実に興味深かった」
専業主婦のドキンさんは、「教科書のような内容で昔を思い出した」という。
「それこそ宗教から、経済、政治などが幅広く網羅されていますが、それなりに難しいので読むほうも必死です。学生時代を思い出しながら、教科書を読むような気持ちでがんばりました。でも著者の池上彰さんも一生懸命にわかりやすく伝えようとしてくれてますし、第1章に『アンネの日記』があるのが、はいりやすくてよかった。まったく身近でなかった『聖書』や『コーラン』などの内容に触れられたのもいい」
ちなみに本書の読了時間は、3人とも4時間だった。
※女性セブン2011年9月29日・10月6日号