『すみれの花咲く頃』にイメージされるように、華やかで美しく心ときめく、宝塚歌劇団。しかし、近年その人気に陰りが差し、タカラジェンヌたちもこれまでにない苦労を強いられているという。
トップスターとは、それぞれの組の男役のいちばん上の劇団員のことで、かつてはトップになれば7、8年続けることもあったが、最近はそのサイクルが短く3年ほど。そのなかで、ファンの間で“悲劇のトップ”と呼ばれているのが、貴城けい(37)だ。彼女はもともと雪組だが、宙組に移って、2006年にトップになったものの、わずか1公演で退団することになった。トップのお披露目公演の前に引退会見が行われたのも異例だった。
「会見では“トップになったときから辞めると決めていた”と話していましたけど、本音はそうじゃないと思います。本人は“もうちょっとやりたかったけど…”とすごく残念そうでした」(元タカラジェンヌのA子さん)
また、トップが辞めれば、2番手が次のトップになるのが通例だが、雪組2番手だった彩吹真央(38)は、トップになれないまま2010年に退団。大企業の広告に登場していた音月桂がトップになった。これには彩吹ファンだけでなく、宝塚ファンも劇団側に不信感を持ったようだ。彩吹退団直後の雪組の公演は、空席が目立ち、拍手の数も少なかったという。
「貴城と彩吹があてはまるかどうかわかりませんが、いくらトップや2番手とはいえ、チケット売り上げが少ないと評価が下がります。そうなると慣例は関係なくなり、ファンも驚く人事となるのではないでしょうか」(宝塚関係者)
その結果、ますます広がる劇団とファンの距離。宝塚のトップを経験した大地真央(55)や天海祐希(44)、檀れい(40)らも、この現状を悲しんでいるに違いない。
※女性セブン2011年9月29日・10月6日号