学校などに対して、理不尽でわがままな要求をする“モンスターペアレント”が問題となっているが、1980年代にも、タイプは違うが自己中な親は存在していたようだ。保母さん、小学校の先生の対談による、ある母親の信じがたいエピソードを紹介しよう。(女性セブン1988年12月1日号より)
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先生C:先輩のヤングママだけど「いまの若い人って、冷たいのよねぇ」っていうの。話を聞いてみると、子供を連れて遊園地に遊びにいった帰りの電車で、子供が「疲れたよ。すわりたいよゥ」と泣き声をあげるので、席をあけてくださいって頼んだんだけど、誰も席をゆずってくれない。
若いOLにも頼んだけど、「私も疲れてますから」って席をゆずってくれなかったので、その前に新聞紙を敷いて、親子ですわってOLの顔を見あげてたんですって。どっちがヘンなのかしら?
保母B:そりゃ、母親のほうがヘンよ(笑い)。うちの保育園に、もうトビキリ変わった過保護ママがいるんですよ。産婦人科医の奥さんなんだけどお弁当の時間になると、湯気のたってるスパゲッティを皿にのせて“出前”してくるんですよ。
こんなことされては困りますっていうと、「だって、この子の好物ですから」って、泣くようにして頼むの。子供をなだめかすよりも大変だったわ。