嫁姑問題についての悩みは古今東西で尽きないが、昭和の時代、嫁と姑のバトルは信じ難いほど壮絶なものだったようだ。以前当サイトで紹介したが、岐阜県の主婦・良子さん(32・仮名)は、普段のいびりの仕返しで目の見えない姑に80匹のミミズうどんを食べさせるという投稿で、読者をあまりの気持ち悪さで身震いさせた。その後の展開を取材した記事を紹介する。(女性セブン1988年12月1日号より)
* * *
<……姑はうどんに箸をつけるとツルツルッと音をたてながらほおばり、クチャクチャと噛み始めました。ミミズの内臓が姑の口の中にあふれました……>
前回の投稿から4か月、山崎さんのお宅では、嫁姑戦争は熾烈な様相を呈して続いていた。記者が訪ねると、
「姑に知られたらたいへんですから」
と渋る彼女をようやく説得して話を聞いたところ、麺類好きの姑(67才)は、“ミミズうどん”がよほどうまかったとみえ、それから3日おきにお昼になると、
「あのうどんにしておくれ」
と注文するようになった。糖尿病でいくら視力が衰えたとはいえ、“知らぬが仏”もいいとこだと、良子さんはハラハラしながら姑の希望に応じた。
「おいしそうなフトミミズはなかなかいないんですよ。畑のあっちこっちを掘り返して、調達するのにひと苦労しちゃいました」
こうして、都合4回、約300匹近いミミズが、にっくき姑の胃袋を満たしたという。7月の終わりごろだった。近所の農家へお茶をよばれにいって帰ってきた姑がこういった。
「世の中にゃ、ひどい嫁がいるもんだよ。『女性セブン』という本に書いてあったらしいんだが、姑に、うどん代わりにミミズを食わせたっていうんだ。バチ当たりな嫁だよ。
それにくらべりゃ、あんたはまだましなほうかもねえ。やることなすことなっちゃおらんけど、うどんだけはうまいのつくるけんねえ」
良子さんはドキリとした。そして、しばらく“ミミズうどん”はやめにした。