島田紳助引退をきっかけに、警察が芸能界浄化に猛進し始めた。発端は、自殺未遂騒動を起こした元「モーニング娘。」メンバー・加護亜依の恋人だった安藤陽彦容疑者の逮捕だ。指定暴力団・山口組系の弘道会との関係をチラつかせて2000万円の借金を踏み倒そうとした恐喝未遂容疑だった。
当局の狙いは別にある。東京・西麻布や六本木界隈で複数の飲食店を経営していた安藤容疑者は、芸能界と暴力団を繋ぐ「取り持ち役」と見られているのだ。捜査関係者がいう。
「安藤は裏カジノ店への出資金を募る役回りをしていた疑いがある。資産家のバクチ好きに“カジノのオーナーにならないか”と持ちかけて、1億円規模のカネを出させる。そうやって出資させた裏カジノが西麻布周辺に何軒かあり、有力暴力団の関係者がケツ持ちをしていたという情報がある。
その裏カジノ店に出入りしていたのが、人気お笑い芸人Jと歌手Gだった。安藤の供述をとって、これを芸能界ルート捜査の突破口にしたい」
皮肉なことに、捜査線上に浮上したJとは、紳助の引退によってバラエティ番組の司会役などで出番が増えるとされる売り出し中の人気芸人だ。歌手Gは大手プロに所属し、紅白にも出演したことがある有名ボーカリストである。安藤容疑者の芸能界人脈はこれだけではない。
「安藤は口が抜群に達者。経営者や資産家から出資金を引っ張るだけでなく、芸能人の女性を口説くのも上手かった。歌手の華原朋美と付き合った後、自身が経営する江ノ島の海の家で知り合った加護亜依と付き合ったが、その間に、民放キー局の現役女子アナKとも交際をしていた」(安藤容疑者の知人)
同容疑者の人脈に自局のアナウンサーが浮上したテレビ局はいまや戦々恐々だろう。
※週刊ポスト2011年10月7日号