白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によると、長寿と飲酒量には、明らかな相関があるのだという。
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東日本大震災後、国民のライフスタイルにさまざまな変化が起きている。
酒離れの加速もそのひとつ。ビール大手5社の、発泡酒も含むビール系飲料の8月の出荷量は、前年同月比3.8%と、1992年の統計開始以来、過去最低となった。
こうした傾向は、健康長寿のためにはメリットの方が多そうだ。国立がん研究センターでは、日本人の飲酒と死亡リスクについて、合計31万人分の詳細なコホート研究(ある危険因子にさらされた人とそうでない人が将来どんな病気にかかるかを、現在から未来に向けて前向きに調べる研究)を行ない、「飲酒により、がん全体および肝がん、大腸がん、食道がんのリスクが高くなることは確実」と報告している。
一方で「適量の飲酒は循環器疾患を予防する」という知見もある。
そこで同センターでは、健康の総合的な指標、「死亡」との関連について、平均6.9年から14.6年追跡した6つのコホートのデータを併せてプール分析を行なった。結論としては、男性では1日当たりエタノール換算で46グラム、女性では23グラムから死亡リスクが高まる。
アルコール23グラムの目安は、ビール大瓶1本(693ml)、日本酒1合(180ml)、25度の焼酎(120ml)、ワイングラス2杯(200ml)、ウイスキーダブル1杯(60ミリリットル)だ。
※週刊ポスト2011年10月7日号