最強官庁として民主党政権を裏からコントロールする財務省。エリート中のエリートの集団だが、彼らの行動様式は旧大蔵省時代から連綿と続いている。
大蔵官僚といえば接待漬け、大蔵接待といえば銀行の「MOF担(Ministry of Finance=大蔵省の担当の意)」というのは、1990年代後半に吹き荒れたハレンチ接待醜聞を覚えている国民の社会常識である。が、実は霞が関にもMOF担がいたことをご存知だろうか。
「大蔵官僚を接待するのは2つのパターンがあった。監督下にある金融機関がする場合と、予算をほしがる他省庁がすることがよくあった。各省庁は予算査定をする主計官の大学同期をMOF担にし、料亭や高級クラブで夜な夜な大蔵官僚を接待した」(某省OB)
その費用は各省傘下の業界にツケ回すのが常で、接待内容は銀行接待と同じ。国民の怒りを買った「ノーパンしゃぶしゃぶ」では、局部を丸出しにしたホステスたちが高級和牛を「しゃぶしゃぶ」して官僚に「アーン」する痴態が常態化していたが、本当に国民に見せられない現場はもっと別にあった。
「何といっても大蔵官僚が好きだったのは向島。都心から離れていて人目につかず、それを利してハレンチ接待する高級料亭がいくつもあった。お座敷バンドを呼び込んで20歳そこそこの芸者と抱き合い、もみ合いながら歌えや踊れやの乱痴気騒ぎを演じるのが官僚として“一人前”になる道だった。宴会が始まって10分もすれば、官僚も芸者もほとんど全裸でしたね」(元大手銀行MOF担)
2次会、3次会、さらに「ホテル」まで用意して、一晩に1000万円かけることもザラだったという。
そんな接待漬け大蔵官僚が、逆に接待役に回ることもあった。大手新聞やテレビの番記者が集まる記者クラブ「財政研究会(財研)」を手なずける時だった。
「高い店には行きませんが、庁舎内にあった洋食屋でよくメシをおごってもらいました。また、夕方5時以降に各課の部屋に行くと、ビールや水割りをごちそうしてもらえた」(元財研記者)
嘆かわしい限りである。今も基本的にその主従関係は変わっていない。
※週刊ポスト2011年10月7日号