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親族以外が墓管理する「永代供養」 心配な人に弁護士が助言

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「一人暮らしの母が永代供養を希望しているのですが」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 お寺や霊園を運営する宗教法人が、親族に代わって墓や位牌を管理する、永代供養が増えているようです。お寺側に読経や法要を任せ、親族は墓地などに出向く必要がないということですが、一人暮らしの母が関心を持ち、契約したいといっています。心配はないでしょうか。アドバイスをお願いします。

【回答】
 通常、墓地の利用は、特定の区画について永代使用契約を墓地経営者と交わして開始します。宗派を問わない霊園形式のものであれば、墓地の利用者が所定の管理料を支払えば使用できます。

 法要などは、菩提寺の僧侶に依頼したり、霊園に宗派の僧侶を手配してもらってすることになりますが、格別のことをしなくても問題ありません。一方、檀家になる寺院墓地の場合は、命日や彼岸などに住職に法要をしてもらうことになります。

 どちらにせよ墓地の使用者が死亡したあと、管理料の支払いや法要の手配を承継する人がいないと、永代使用契約が解除されることになります。少子化が進む中、こうした事態を避けるため、永代供養式の墓地が増えています。

 永代供養墓では使用者の死後、その相続人からの格別な働きかけがなくても、一定期間は墓地として維持し、その後は合葬墓に改葬するというものだと思われます。その期間や永代供養料の額などは、墓地により違うでしょう。

 また、寺院墓地であれば、住職が読経その他の仏事をして供養しますが、宗派を問わない霊園形式の場合、お墓を維持するほかに、どんな供養をするかを尋ねる必要があります。お母さんが死後望んでいる供養の形態も大切なファクターになります。

 このほか、将来にわたって良好な環境で墓地が維持されるかも、重要なポイントです。墓地許可などを役所で確認したり、墓地の土地の謄本を取って、所有状況や担保の有無を調べることもあります。お寺が経営する墓地でも、お寺そのものは全く別の場所にある事業型墓地の場合、名義貸しのケースもあるといわれています。

 そこで墓地経営者の主たる事務所、即ちお寺であれば、その本来の寺院の所在地なども確認されてはいかがでしょうか。

※週刊ポスト2011年10月7日号

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