マイナス15%の節電が目標とされた今年の夏。スイッチをこまめに消し、冷蔵庫の中身を減らし、エアコンも極力我慢などなど、そんな節電で乗り切った家庭も多いはず。しかし、実際に家庭が節電していた量は、驚くほどわずかなものだった。
電力10社の電力需要実績をまとめている電気事業連合会が公表した資料によると、7月の全国の家庭の節電量は「前年比マイナス1.9%」という結果だった。政府が東京・東北で努力目標に設定した節電15%には全く届かない数字で、電気代にすると、標準家庭でたったの月130円程度に過ぎなかったのだ。節約アドバイザーの丸山晴美さんが解説する。
「震災の影響もあって家庭の節電意識は高まっていましたが、計画停電もなくなり、電力供給量も80%台が続いて余力があったことから、気を緩めてしまった人が多いのではないでしょうか。また、企業が残業を減らし、会社員のかたの在宅時間が増えたことも一因でしょう。節電はダイエットと同じ。根気が必要だということです」
電力10社の2011年4月から7月の消費電力を調べてみると、5月には全国で前年比マイナス7.1%だった節電量が、6月にはマイナス3.6%、7月にはマイナス1.9%としぼんでいる。また、7月に関しては北海道・東北・東京以外の地域では、前年よりも消費電力が上がっているのだ。
どうやら暑さが増すにつれ、節電というダイエットを早々に諦めてしまった家庭が多かったようだ。
※女性セブン2011年10月13日号