投資で一攫千金を狙い、最後は「1億円」を狙うなら、やはり高い経済成長が見込める新興国への投資は魅力的だ。とはいえ、新興国投資をする際は、気をつけなければならないリスクがある。新興国投資のカリスマ・グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。
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新興国の場合、日本株投資などでは考えられないような2つの大きなリスクがある。
ひとつは「流動性」だ。新興国はまだまだ時価総額が小さい市場がほとんどなので、買いたくても買えない、あるいは売りたい時に売れないということがままある。なかには1銘柄の1日の売買代金がせいぜい20万~30万円で、市場全体でも1000万円足らずのところもあり、せっかく高値をつけたのに脱出できないという、日本の常識ではあり得ない事態も考えておく必要がある。
もうひとつは「通貨」である。海外投資には為替変動が付き物だが、特に新興国への投資は細心の注意を払いたい。一般的に資源国は通貨が強いとされるが、資源が乏しい国はどうしても輸入が増えるので貿易赤字になりやすく、通貨安を招きやすい。そうなると、たとえ株価が上昇したとしても、通貨安によって損失を被る可能性もある。さらにインフレ懸念から通貨安が進む傾向もあるので、貿易赤字と消費者物価指数の動向には気をつけたいところだ。
確かにこれらのリスクはあるが、それを補って余りあるほどの高成長はやはり最大の魅力である。他人があまり注目していないうちに買って、注目が集まりだしたところで売る。それができれば1億円への道はグンと近くなる。
※マネーポスト2011年9月号