【書評】『救命 東日本大震災、医師たちの奮闘』(海堂尊 監修/新潮社/1575円)
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記憶に新しい東日本大震災だが、自身も被災しなおかつ現場に駆けつけ医療行為にあたった医師らの言葉は、映像ではわからない当時の凄惨な状況を克明に語っている。〈これまで学んだ言葉、教えられた言葉、習得した言葉、そのすべてが無力でした〉と衝撃を受けながらも、そこから「他人のため」に一歩を踏み出し自分自身をも支えていく姿は圧巻だ。
指揮系統の迅速な確立、臨機応変な仕事ぶりにも学ぶべき点が多い、感動のドキュメント。
※週刊ポスト2011年10月7日号