『ジョークで読む国際政治』の著者でジャーナリストの名越健郎氏はジョークに対して非常に造詣が深い。そんな名越氏から空母の試験航海を開始した中国にまつわるジョークを教えてもらった。
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■キャメロン首相はロンドンの暴動でツイッターやフェイスブックなどネットツールが悪用されたとして、サービスの中止を検討。中国のネットユーザーが「それでも民主国家か」と批判を浴びせた。キャメロン首相が言った。
「中国なら、戦車が暴動を鎮圧しているはずだが」
※若者の失業者やニートが人種を問わず決起した英国の暴動は戦後最悪となり、来年のロンドン五輪安全開催に黄信号が点滅した。首都ロンドンはグローバル経済の進行で、金融の中心として華やかに発展したが、英国は金融・サービスに特化し、物づくりを軽視したため、雇用機会が失われ、若者の失業率は20%を超える。保守党主導の連立政権が昨年、財政赤字削減策として緊縮政策に踏み切ったため、弱者の生活苦が高まり、暴動につながった模様だ。貧富の格差拡大や若者の就職難、ニート化現象は、日本を含めほぼすべての先進国に共通する現象。グローバル経済の負の側面が今後拡大しそうだ。
■国際観光船が故障し、見知らぬ無人島に漂着した。
ドイツ人は故障の修理を始めた。
フランス人は島に女性がいないか探し始めた。
日本人は漂着後にどうすべきか本社に問い合わせた。
中国人は島の領有権を主張し始め、本国に空母の出動を要請した。
※中国初の空母が試験航海を開始。新たに国産空母も建造中で、南シナ海や尖閣の領有権問題に一石を投じそうだ。
※SAPIO2011年10月5日号