暴力団にとって、芸能人と付き合っていることを周囲に見せつけることは一種のステイタスになっている。そして、暴力団はパーティや宴席に芸能人を呼ぶこともあるが、関西ではお笑い芸人たちが呼ばれるのが定番となっている。
「暴力団幹部のなかには、売れない芸人を見つくろって宴席に呼ぶことを趣味にしている人もいる。カネに困った若手や売れなくなったベテランにとっては、悪い話ではない」(関西の芸能界事情に詳しい人物)
数年前、関西で行なわれた盆踊り大会で、テレビで有名な物まね芸人は、ともに壇上に上がった町内会会長からこう紹介された。
「今年も○○親分のおかげで、人気の芸能人の方が顔を見せてくれました!」
会場にいた住民は、老若男女の別なく、割れるような拍手で芸能人を迎えたという。これが昭和ではなく、最近の話だというから驚きだ。
紳助ショックや東京都暴力団排除条例の施行を受けて、今後はいっそう、芸能人も暴力団との付き合いに気をつけるはずだ。その上で、今日もきっとどこかで、芸能人は暴力団と宴席を楽しんでいるのである。
※週刊ポスト2011年10月14日号