警視庁による芸能界浄化作戦。「丸の内特捜班」がアイドルHの元夫で山口組系臥龍会幹部K氏と芸能界の華麗なる人脈を追いかけるなかで浮上したのが、都内の不動産会社元会長である。K氏は元会長に対して暴行事件を起こしていたが、 この元会長の芸能界人脈も豪華絢爛である。
2005年に開かれた元会長と銀座の有名ママとの結婚披露宴は、官房長官の経験がある大物国会議員が媒酌人を務めるなど、異例のスケールで行なわれた。
列席者には、覚せい剤取締法違反で世間を騒がせた女性タレントS、Vシネマの常連俳優T、元プロ野球選手や元Jリーガーなど、芸能・スポーツ界のVIPが顔を揃える錚々たるものだった。
2008年、元会長が脱税事件をきっかけに100億円の負債を抱えて会社を倒産させて以降も、有名人との交遊は続いていた。紅白出場経験のある有名ボーカリストGや、K氏と親交が深かったとされる有名歌手のMは、最近も一緒に六本木や大阪の北新地などの高級クラブで豪遊する姿が度々目撃されている。
「元会長は元横綱・朝青龍のタニマチでもあった。朝青龍を連れて暴走族・関東連合の元リーダーが経営に関わる六本木のクラブで飲んでいた時、朝青龍がその元リーダーを殴って引退する騒動になった。
今は西麻布にある自身の自宅マンション兼飲食店に有名人を集めて投資やカジノ旅行を持ちかけている。私が訪れた時は有名アイドルグループの元メンバーAが元会長と一緒に酒を飲んでいた」(K氏の知人)
また、恐喝未遂容疑で逮捕された元「モーニング娘。」メンバー・加護亜依の恋人である安藤陽彦氏も、元会長やK氏と昵懇である。当然、3氏共通の親しい芸能人も多く、彼らの人脈は幾重にも重なり合っている。
警察の強烈なプレッシャーに、いまや芸能界は防戦一方だ。大手プロダクション幹部の銀行新規口座の開設停止情報が業界内を駆け巡った時は、警察の本気ぶりに震え上がった者は少なくなかった。
「警察からの天下り枠の拡大や新規の受け入れを検討し始めるなど、どこも自分だけは火の粉をかぶらないよう必死だ。付き合いのあったテレビ局の人間の態度も最近ヨソヨソしく感じられ、包囲網が確実に狭まりつつあるのは肌感覚でわかる」(前出の芸能プロ関係者)
安藤隆春・警察庁長官の大号令で突き進む、警察当局の<芸能界浄化作戦>は短期決戦とみられている。安藤長官の任期が来年3月までとされるためだ。それまでに結果を出したい捜査陣の動きはより一層加速してきた。
※週刊ポスト2011年10月14日号