今年のイチローは、これまでヒット数を稼いできた内野安打が減り、結果として200本安打には届かなかった。2009年の内野安打率は28%で2010年は30%だったが、2011年は23%に減少。
内野安打が減った理由には、「イチローの脚が遅くなった」ことも考えられる。しかし、「脚力と年齢は関係ない」と断言するのは、1065個の盗塁を記録して41歳で引退した野球評論家の福本豊氏だ。
「僕も晩年は盗塁数が減ったけど、それは出場機会が減っただけで脚力が衰えたということではない。実際、盗塁成功率は引退直前までほとんど変わらんかった。イチローは相変わらず盗塁数が多いし、脚が遅くなったわけではないと思います」
イチローの今季の盗塁成功数は40。失敗はわずか7で、成功率を計算すると実に0.851に上る。2006~2010年の過去5年間の成功率は0.858だから、ほとんど変化はない。イチローの走力は落ちていないと考えるのが自然であろう。
※週刊ポスト2011年10月14日号