夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、損保会社勤務のご主人(50歳)。休みの日に、奥様(46歳)と一緒にタンスやクローゼットの整理をしたそうです。
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「なんで娘の洋服がこんな所に入っているの? おかしいわねえ」と、去年の秋物を取り出し、鏡の前で自分の体に合わせながら呟く女房。無視していると、「まさか、アナタが入れたんじゃないでしょうね?」
あのなァ、そんな豹柄のトレーナーやスパッツ、高校生の娘が着るわけないだろ! お前の洋服だよ。「やっぱりおかしいわよ、トレーナー着たらお腹が出ちゃうし、スパッツも穿けないもん。これ、全部、私のモノじゃないわ」って、仕方ない、この際はっきりといってやろう。
「いいか、去年の秋頃の自分の体型を思い出しながら、鏡に映った今の自分をじっくりと見てみろ。同じか?」「アラッ!」やっと気づいたか!「この鏡、ヘンよ! 横に大きく映るわ!」ヘンなのはお前!
今年の2月頃、「夢に天国の祖母が出てきて、『体重計に載ると不幸になる』っていうの。だから、私、そうするわ」といい出してから、かなり太った女房。体重を量ってみるよう促すと、「でも、おばあちゃんの遺言が……」「夢だろ!」「あ、おばあちゃんの怒りに触れ、体重計が壊れちゃった! 10kgも太ってるわ!」「それが現実なの!」「いいえ、まぼろし~!」って、IKKOの真似なんかしてごまかすな!
※週刊ポスト2011年10月14日号