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荻野アンナ 鬱病で衝動的に屋上から飛び降りそうになった過去

10月8日より公開になった映画『ツレがうつになりまして。』。いまや現代病として定着してしまったうつ病だが、ひとくちにうつ病といっても、症状も期間も対処の仕方も人それぞれだ。

「40代は、親の介護、家庭、仕事など、女性にとって責任がのしかかり、自分にかまっていられない時期だから危ういんです。私も40代半ばでうつ病になりました」

こう語るのは慶應大学文学部教授で作家の荻野アンナさん(54)。荻野さんは、15年ほど前から、両親の介護を一手に引き受けたのがきっかけで常に張りつめた毎日を送るようになった。

「そのうち目が覚めてから起きるまでに2時間かかるなど体調にも異変が表れました」

“おかしい”と気づいた荻野さんは心療内科で診察を受けた。抗うつ薬、抗不安薬、睡眠導入薬が処方された。すると、10日ほどで気分が軽くなり、しばらくは快方に向かった。

「でも、うつは繰り返します。薬をのんでいましたが、数年前、病院で父が検査を受けるのに、食べてはいけなかったのに朝食を食べさせてしまって…。忘れていたことに激しく動揺して、衝動的に父と病院の屋上から飛び降りようとしました」

いまでは症状をコントロールできるようになったという。対処法のひとつがボクシング。

「例えば介護しているお年寄りにイライラしたとしても、あたらず、また抑え込まずにサンドバッグにぶつければいいんです。おすすめですよ。

うつの治療に悩むかたにお伝えしたいのが、最初の先生や病院でコミュニケーションがうまくいかないからといって諦めるのはもったいないということ。うつになったのは、危険信号を内から発信してくれたんだとポジティブに考えましょう。“私は突然死にならずにすんだんだ”って」

※女性セブン2011年10月20日号

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