9月27日、市川猿之助(71)の実の息子である香川照之(45)とその長男・政明くん(7)が親子揃って歌舞伎界入りを高らかに宣言した。その際、香川は涙を浮かべ、歌舞伎界入りへの決意を語った。
しかし当初、猿之助はこの香川の思いを拒絶していた。なぜなら、猿之助は頼る人は誰もいないところから芸を磨き、自分の実力だけでのし上がっただけに、血縁で後継者を決めるなんてことはしないと決めていたからだ。
その猿之助のかたくなな考えを変えたといわれるのが、彼を世話するA子さんだ。
彼女は福岡出身の40代の女性で、実家は一族から政治家も輩出する名家。地元のテレビ局勤務の後に、歌舞伎を上演する博多の劇場へ転職。この仕事が縁で猿之助と知り合ったという。
A子さんは、脳梗塞を患って以来、体が不自由な猿之助のために、地元の介護福祉の専門学校に通うなどして献身的に彼を支えた。そして今年春には、都内の高級マンションで同棲生活をスタートさせた。
「A子さんは将来的に猿之助さんの興行を取り仕切りたいという思いがあるんだと思います。すでにもう体の悪い猿之助さんに代わって劇場に足を運んでは、女将さんのように振る舞って口を出したりしています。もはや猿之助さんは彼女のいうことしか聞かなくなっているほど、彼への影響力は強大なものとなっているんです」(梨園関係者)
香川は息子の歌舞伎界入りに対してなかなか首を縦に振ってくれない猿之助に影響力をもつ、このA子さんに近づいていく。
「本来、香川さんはA子さんのようなタイプの上昇志向が強い女性は苦手なはずです。でも、彼女が猿之助さんに“息子さんを歌舞伎界に入れてあげてよ”ってひと言いえば、猿之助さんはいうなりですからね。彼女を味方につけようと思ったのでしょう」(前出・梨園関係者)
時を同じくして、A子さんの側にも香川を頼りたい事情があったかもしれない。
「A子さんとしては藤間流の人たちがいろいろと口を出してくるのは藤間(紫)さん(故人・猿之助の妻だった)が遺したマンションで暮らしているからだという思いがあったんです。だから、香川さんに自分たちふたりの今後について相談したようです。これに香川さんが、息子さんのこともあってか、一緒に住むことを申し出たようです」(A子さんの知人)
こうして、猿之助の許可を得、手に入れた政明くんの團子襲名。さらには香川自身までもが中車として歌舞伎界に足を踏み入れた。
香川としては、ゆくゆくは政明くんに自分が継げなかった“猿之助”の名を継いでほしいという思いもあるだろう。
※女性セブン2011年10月20日号