「脱・原発」を訴えるのは何も政治家や活動家だけじゃない。福島第一原発の事故後、多くの作家や映画監督ほか著名人らが続々と原発への意見を表明している。そんななかでも、仕事への影響も顧みずに反対運動の先頭に立っている俳優・山本太郎(36)だ。山本は女性セブンの取材にまじめな顔をこう語った。
「3.11以降、原発の管理があまりに杜撰だったことを思い知らされました。国は人の命を大切にしておらず、このままでは殺されると思った。とくに何の罪もない子供たちが殺されるという危機感が、ぼくの活動の源なんです」
震災以降、国の姿勢に怒りを覚えていた山本は4月下旬、文部科学省が屋外活動を制限する放射線量の基準を年間20ミリシーベルトに引き上げたことに“ブチ切れ”た。
「国際基準は1ミリシーベルトのうえ、子供の放射線への感受性は大人の3倍から10倍といわれています。子供が年間20ミリシーベルト被曝しても大丈夫だなんて正気じゃないでしょ?」
活動を始めて収入は10分の1に減ったというが、やめるつもりはないという山本。
「原発の一斉停止、汚染地域の住民の疎開、汚染された瓦礫の拡散防止の3つを同時進行でやる必要があります。なんとしても子供たちを守らなければならないんです」
山本ら著名人の脱原発発言のなかで異彩を放つのが、いしだ壱成(36)がブログに書いた「今だからみんなで考えたいこと」。
内容は1988年、いしだ少年が愛媛県の伊方原発をめぐる抗議運動に参加したエピソードなど。原発の現状について「55個もの核爆弾がいつどかんといってもおかしくない状態」と注意を呼びかけた。
実はこのブログのエントリーは3月4日。原発事故を予言するかのような内容が大きな話題となった。
その後の半年間、ブログ内でいしだが原発問題に踏み込んだ書き込みをすることはなかったものの、9月30日、再び8000字以上に及ぶ長文で脱原発への思いを綴った。
「恐ろしいほどのスピードで、あれから時間は進んでいる。もう半年という時が流れた。そして同じくあれから何も進んでいないのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故処理だと思う」
ブログでは、放射能対策等をまとめた著書を執筆していることも示唆。「お子さんの為を想い、ご自身で考え、そう感じたならどうか勇気ある行動をお願いします」と文章を締めくくっていた。
※女性セブン2011年10月20日号