復興増税議論の陰で着々と消費税の引き上げが野田政権と財務省によって画策されている。取られるだけの庶民の側としては自衛策を講じなければならない。
ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏はこう指摘する。
「増税を機にすべての商品が5%値上げされると単純に考えれば、高額な耐久消費財を増税の前に買っておくことが基本です」
例えば、マイホーム購入は増税によって100万円単位で購入価格が変わってくる。前出の紀平氏がアドバイスする。
「一戸建て住宅とマンションでは事情が少し異なります。マイホームの購入価格は土地と建物の価格の合計です。そのうち、建物分には消費税がかかりますが、土地の売買は非課税です。つまり、特に建物代の割合が高いマンションの購入を考えているのであれば、増税前に買っておけば税の節約率は高いといえます。一戸建ての場合であれば、増税前に建物だけの契約を済ませておくという手も考えられるでしょう」
増税直前になると駆け込み需要で不動産の取引が活発化し、価格が上昇することが予想される。増税予定の1年以上前の購入が、より効果的だ。
その他にも、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンなどの家電や、ベッドやタンスなどの家具の買い換えも増税前に済ませておけば無駄な支出を防げる。
忘れがちなところでいえばお墓の購入だ。仏事関連の出版・ウェブサイト運営を手がける「鎌倉新書」担当者がいう。
「墓地購入代金は施工費を含む墓石費用、土地代に当たる永代使用料、維持経費の管理費に分かれる。このうち、一番高額な墓石費用(平均約125万円)に消費税がかかるので増税の影響を受けます。例えば、墓地探しがうまくいかなくても、墓石だけは増税前に買っておき、後でゆっくり墓地(土地)を探すという方法もあります」
※週刊ポスト2011年10月21日号