留まるところを知らない人気ぶり。ジャニーズやAKB48も負けそうな勢いの芦田愛菜ちゃんだが、なにやらその姿に「違和感」を覚える声が続出しはじめた。いったい、何が起こっているのか。作家で五感生活研究所の山下柚実氏が問題提起する。
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ドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)で大ブレイクした芦田愛菜ちゃん。NHKの大河ドラマ出演に続き、『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)では史上最年少の司会役に抜擢。 10月16日からはキムタク主演のドラマにも登場するとか。
さらに、歌手としてデビュー。周囲は当然、「紅白歌合戦」の出場をねらっているのでしょう。
留まるところを知らないその人気ぶりは、ジャニーズやAKB48も負けそうな勢い。「泣き」の演技もプロなみで、そこらへんの大根役者よりもずっと高い評価を得ています。
ところが……。最近の愛菜ちゃんを見ていると、なぜかこっちがつらくなってくるのです。「そこまで無理しなくても」と感じてしまうのです。
七歳の子が、周囲にあわせて大はしゃぎして、キャハハとひきつった笑いをする姿。見ているこっちの方が引いてしまうことも、しばしば。
その姿に無理を感じているのは、私だけではないようです。新聞の投書欄には『メレンゲの気持ち』の司会役に対して、「昼間からあきれるような下ネタを、七歳の彼女の前で展開していた。人として成長する大切な時期に、この起用は児童虐待ではないかとさえ思う」という批判も。
過剰な仕事量のせいか、ネットでは「あまりに忙しすぎて愛菜ちゃんの表情がこわばっているみたい」「過労では。もうすこし休ませてあげて」という心配もささやかれるほど。
大人たちが寄ってたかって、小学一年生の人気に依存する空恐ろしい構図。こぞって視聴率低下を嘆くテレビ局が、最後にしがみつこうとしているのが愛菜ちゃんだとしたら……?
ふと、「加藤清史郎くんはどこへ」と、気になりました。あれほどひっぱりだこだった「子ども店長」。ほんの数ヶ月で、人一人があっという間に消費されてしまったのだとすれば、なんとすさまじい速度でしょうか。
もしかして、ソフトバンクのCMの犬のおとうさんの方が、子ども店長よりサバイバルしているかも? ペット人気の方が息が長いとすれば、この世はあまりに過酷です。
最近、ネット中心によく使われる表現に、「痛い~」があります。たとえば「あの人痛いよね」「彼女は痛い人」といった感じで頻繁に使われています。その意味とは、「他人から見ると場違いなことを、本人は正しいと思ってやっている」「見ていられない」。
芦田愛菜ちゃんが「今、もっとも痛い人」でなければいいのですが。