ソフトバンクとauから発売されることとなったiPhone4S。どちらを選ぶべきかで悩んでいる人も多いだろうが、通信速度を見てみるとソフトバンクが一歩リードしている。
ソフトバンクの最大通信速度は下り14.4Mbpsなのに対し、iPhone4Sはauが提供している高速通信サービス「WIN HIGHSPEED」に対応していないため、下り最大3.1Mbpsとなり、規格上の最大速度では、ソフトバンクの4分の1以下となってしまう。しかし、実際には使ってみなければ判断が難しいという。ITジャーナリストの林信行氏はこういう。
「画像がたくさんあるページを見るときなどは、かなり速い印象を受けますね。ただ、“4倍”もの通信速度は近くにソフトバンクのアンテナがあり、周りにiPhoneの使用者がいない最適の状況を想定した場合のこと。日常生活の中でそんな状況になることはまずないといっていいので、通信速度はおそらく大差がないと思います」
たとえ通信速度が速くても、「電波が悪い」状況下では、充分にその機能も発揮できない。ソフトバンクの最大のウイークポイントはauやドコモに比べてネットワークが弱い点だ。ケータイジャーナリストの石川温氏はこう解説する。
「auは駅のホームなど人が密集する場所でのネットワークを強化してきたという経緯があり、電波が悪くなりがちなところで繋がりやすいという点では定評があります。またソフトバンクに比べてスマートフォンの利用者が少ないことから、基地局にかかる負荷も小さく、スループットといわれる、単位時間あたりの通信処理能力も高いといえます」
さらに2012年4月からauでサービス開始予定となっている「EV-DO Advanced」が導入されれば、スループットはさらに向上しそうだ。ケータイの電波は、ひとつの基地局にアクセスが集中することによって繋がりにくくなる。ところがこのシステムがあれば、ある基地局にアクセスが集中した場合、自動的に周辺にある「空いた」基地局を介して通信が可能となるわけだ。
それによって各基地局に収容できるデータ量はこれまでの約1.5倍になり、スループットは平均して2倍アップ。もちろんiPhone4Sにも対応している。
※女性セブン2011年10月27日号