父・金正日が心血を注いで開発してきた核兵器と弾道ミサイル。息子・正恩への権力継承劇は、その完成をもって行なわれる。近く北朝鮮で3回目の核実験が行なわれるとの観測が出ているのだ。これに対して日本はどう対応すべきなのか、元韓国国防部北朝鮮分析官、高永喆氏が提言する。
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今年5月、金正日は中国を訪問。さらに、続く8月にはロシアを緊急訪問した。中国・ロシアは北朝鮮に、核問題解決のための6か国協議のテーブルに再びつかせるとし、年内にも開催される予定である。
しかし、北朝鮮が核兵器を放棄することは絶対にありえない。核兵器は自らが生き残るための最終カードで、北朝鮮にとっての核兵器は、日本や韓国、そしてアメリカを前にした時に生き残るための切り札だからだ。
したがって、6か国協議は、これまでもそうだったように、北朝鮮にさらなる核兵器とミサイル開発の時間稼ぎを与える口実でしかない。
北朝鮮の核の小型化はスケジュール通りに進み、日本と韓国を射程に入れた核弾頭ミサイル、さらには米国全土を射程に入れた核弾頭搭載のICBMが実戦配備される日はそこまで来ている。
日本が北朝鮮の核兵器とミサイルに対抗するには、米韓との連携を強くし、国家情報戦略を確固たるものにしなければならない。さらにあえて極論を言うなら、アジア地域の核抑止のためには日韓の核武装という選択肢も捨ててはならないのである。
※SAPIO2011年10月26日号