格下相手だったとはいえ、これほどの快勝は気持ちがいい。10月11日に行なわれたサッカーW杯アジア3次予選、日本代表はタジキスタンに8-0で圧勝した。
普段は辛口で鳴らす日本サッカー協会顧問の釜本邦茂氏もご満悦だった。
「特に中村憲剛がよかったね。よく動いてチャンスを作り、自分からゴールを狙う場面も多く、最終ラインから前線へボールをつなぐ役割を果たしていた」
1得点3アシストでMVPに輝いたMFの中村憲剛(30・川崎)。実は、その活躍を支えた影の立役者がいた。今や時の人となった、なでしこジャパンの澤穂希(33)である。サッカー誌記者は語る。
「澤と憲剛は小学校時代に所属していた東京・府中のサッカー少年団の先輩、後輩の間柄。当時、2年先輩の澤に憲剛はまったく歯が立たず、ミスすると蹴りを入れられる“怖い存在”でした。その関係は今でも変わっていないようで、澤と話すときの憲剛は直立不動。試合前、澤が試合を観戦すると聞いた憲剛は、『ウソ! 怖ェ~!』と震え上がっていました」
失敗すると容赦ないお叱りを受ける……。“アネゴ”のプレッシャーが、中村の2年ぶりのゴールを生んだのかもしれない。
※週刊ポスト2011年10月28日号