「離婚とは、誰でも、どんな状況においても人生でもっともつらい出来事。だからこそ、冷静に対処し準備をすることが大切ですね」というのは離婚・家庭問題を多く扱っている弁護士の榊原富士子さん(以下、「」内は榊原さん)。
日本でもいまや2分に1組の割合でカップルが離婚する時代。離婚を考えている人も多いのが現状だ。知識や準備は、いまは不安のない夫婦でも不可欠なのかもしれない。
「具体的には、まず、離婚の原因を自分なりにきちんと整理しておくことです。例えば、夫の浮気やDV、借金のような場合は、証拠を集めておく、性格の不一致などの場合は、その詳細をメモしておくことも大事ですね」
不倫であれば、肉体関係が証明できるような相手とのメールのやり取りやホテルの領収書などを写真に撮っておく。DVなら全治3日程度の切り傷でも写真に撮り、病院に行って診断書をもらうなどしておくことも大切。
「証拠を集めることは、気のめいる行為です。必死で証拠集めをしているうちにやめられなくなり、本心では離婚したくなかったのに、成り行きで離婚に進んでしまうこともあるので注意を」
もっとも注意を払いたいのは、離婚を相手方(夫)に切り出すときの話し方や言葉の使い方だという。
「離婚を切り出される相手のつらさを考え、できるかぎりの思いやりをもって伝えることを心がけてください。たとえ、相手に非があった場合でも同じ。それが結果的には、円満かつ早期に離婚問題を解決する秘訣になるのです」
※女性セブン2011年10月27日号