いつの時代も争いごとの火種となるのが嫁と姑の関係だ。しかし、脳科学的観点を導入することで、その関係も改善されるという。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でおなじみの脳科学者・澤口俊之氏が、嫁と姑について語ってくれた。
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人間関係はお互いのことを理解しようと努力し、それぞれの良いところを見つけることが解決の第一歩になります。そこで、相手を理解するための材料として脳科学的、生物学的に嫁と姑について考えてみることにしましょう。
嫁と姑の関係は、脳科学的にも、生物学的観点からも、嫁は子供を産み、姑に子育てを手伝ってもらうのが理想です。つまり、協力し合って子育てをするべきなのです。
姑が孫の世話をすることは大変重要で、中高年になってからも脳を発達させること、長生きすることにつながります。
脳の発達や能力、働きは、20才ぐらいをピークに低下していきます。ところが、脳には、年齢に関係なく活性化したり、発達させたりすることができるものがあるのです。そのひとつに、いろいろな体験や経験から発達する能力「結晶性能力」があります。
これは、いわゆる「経験知」に近いもので、記憶(知識や経験)を増やし、それを上手く活用して適切な判断や決断をする能力です。
姑が「私は、○○をして失敗したからあなたは気をつけなさい」と嫁に助言したり、諭すことができたりするのは、結晶性能力の働きからです。また、結晶性能力は、普通に生活していても、長く生きていれば自ずと知識と経験が増えるため、高齢になればなるほど向上していきます。
祖母(姑)が身近にいる幼児のほうが、そうではない幼児よりも知能が高いというデータもあるので、「祖母は、孫の頭をよくする」ということもいえます。
※女性セブン2011年10月27日号