1年の掉尾を飾る“国民的番組”、NHKの紅白歌合戦が風前の灯火だ。毎年、11月下旬までに出場者を発表してきたが、人選作業が遅々として進まず、「発表は12月にズレこむ可能性が高い」(NHK関係者)という。
理由は、10月1日の暴力団排除条例の完全施行と、本誌スクープ「丸の内署芸能特捜班」の存在だ。9月中旬、警視庁の暴力団対策を担う組織犯罪対策3課の課長らが、NHKをはじめテレビ各局に直接足を運び、暴力団排除への協力要請をしたのは既報の通りである。暴力団との繋がりを疑われる芸能人はテレビ画面から消える運命にあるが、紅白歌合戦がこの影響をもろに受けたのだ。
前出のNHK関係者が明かす。
「出演者と暴力団の関係について、“知らなかった”では済まされない。NHKでは独自に歌手やグループの“身体検査”を進めている。番組制作局から報道局に“危ない歌手を洗ってくれ”という要請がいき、それを受けて社会部記者が情報を集める。情報は警視庁、大阪府警といった担当の部署ごとにまとめられて社会部長に報告、最後はNHK会長直轄の『総合リスク管理室』がチェックをするという流れだ。
ただし、調べれば調べるだけ芸能界と暴力団の交際情報が出てくる。紅組にも白組にもオファーできない“黒組”の歌手が想像以上に多くて頭を抱えている」
※週刊ポスト2011年10月28日号