写真集『カメラマンたちが見た小島慶子』(集英社)で水着姿を披露しているフリーアナウンサー・小島慶子(39)。どんな気持ちでグラビア撮影に臨んだのか、本人がその心境を語った――。
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グラビアっていうのは、若くて顔が可愛くて胸が大きくて、つまり男性からするとファンタジーの要素を満たす人が出るものですよね。でもそこに、読者の奥さんや彼女に近い、不完全な肉体の持ち主が出たら、どんな風に映るんだろう。男の人がファンタジーでないところで出会う女性のグラビアを見てみたいと思ったんです。
ラジオでもいうんですけど、メディアでは画になったり綺麗な商品になっている物ばかり映るけれど、ほとんどの人はそうじゃないところで暮らしている。私もそうです。だからこそ、画にならない“普通の部分”にも価値があるっていうことが伝えられたらいいなって。
私の水着姿なんて「子どもと一緒に室内プールに来ているお母さん」っていう感じでしょう。胸もペッタンコです(笑い)。でもそこを自然に、年相応のものとして撮影していただけたら、こんなのもありだよっていえるかなと。
私は、メディアに姿を晒すことについて、自分の手の及ぶ範囲の努力はします。でも、それを相手がどう受け取るかということまでは気にしない。どうにもならないことですから。「自分がどう映り、どう捉えられるか」ということまで完璧に計算する方もいますよね。それはプロとして当然のことです。でも私は局アナ時代も“女子アナとして期待される役割”を演じることは、最後までできなかった。
人前に出ることは、差し出すこと。3人のカメラマン(沢渡朔氏、橋本雅司氏、熊谷貫氏)が撮った私はそれぞれ違います。どれが本物かなんて私には決められないし、見る人によっても違う。でも、ああ、現実的な中年の女性にもいろんな顔があるんだなと思ってもらえたら嬉しいです。小ジワはあるけど、いい写真だなぁ、なんて。
【プロフィール】
小島慶子(こじま・けいこ)
1972年7月27日生まれ。2010年にTBSを退社しフリーに。現在、『ゴロウ・デラックス』(TBS系、木曜24時25分~)にレギュラー出演のほか、ラジオ番組『小島慶子 キラ☆キラ』(TBSラジオ、月~金13時~)のメインパーソナリティを務める。活動の詳細はwww.castplus.co.jpまで。
※週刊ポスト2011年10月28日号