11月27日に投開票される大阪市長選挙。10月21日には、橋下徹大阪府知事(42)が「大阪都構想」を掲げて出馬宣言する。それに対し、大阪市長の平松邦夫さん(62)は、どう考えているのか? 平松市長にインタビューを行った。
――橋下氏の「大阪都構想」をどう評価していますか?
「そもそも都構想そのものが地方自治に逆行する考え方で、時代遅れなんです。中身のない妄想です。大阪を分割するなら、どのように分割するのか、財政はどうするのか。そうした積み重ねの議論が何もないなかで、賛成しろというのが無理というものです。橋下さんは、都構想については、選挙に勝って、役人にまかせれば3日でやってしまうと平気でいいます。そこで暮らしている人たちへの思いが全く見えません。だから反対なんです」
――橋下さんが市長選に出る目的は何だとお考えですか?
「行政を自分の思うように変えて、好きにお金を使いたいのでしょう。大阪市の持っている行政能力だとか、財産だとかがおいしい果実に見えたから、その果実を自分の好きなモノに使いたい。独裁と略奪が目的だと思います」
――二重行政の問題については?
「二重行政については、市と府がきちんと話し合っていけば、いくらでも改良できるし、解消できるものです。府市協調路線はやろうと思えばやれたし、実際に話し合いも進んでいました。しかし、水道事業の統合もそうですが、橋下さんは全然やろうとしなかった。面倒くさい調整ごとは嫌いなのかもしれませんね」
――平松市政4年間の成果は?
「大阪市は市政改革を行ってきて、市債残高や実質公債比率なども順調に減少しています。職員数も、前市長の關淳一さんが掲げた『5年で7000人削減』を大幅に上回り、すでに8570人削減を達成しています。2015年までにはさらに5000人減らし、市民1人当たりの職員数を横浜市並みにするつもりです。
給料も減らしてきました。そういうなかで、大阪市は『エコノミスト誌』の『世界主要140都市・最も住みやすい都市ランキング』でアジア1位になりました。『世界主要35都市・住居分野ランキング2010』では世界第3位になりました。街頭犯罪数も激減しています。大阪市は確実に良くなっているんです」
――市長選を通じて市民に発信したいことは?
「私は大阪のことを、『大都市・そして一番住みたいまち』にしたい。大阪は市民の力が強いまちです。皆さんが自治の主役なんです。経済面、文化面、生活面、全ての面で大都市の魅力をより充実させ、いちばん住みたいまちにしたい。教育もそうでして、子育てもそうです。改革のスピードでいえば、橋下さんはウサギで私は亀かもしれません。でも、必ず前に進んでいきます」
※女性セブン2011年11月3日号