国内

“橋下市長”誕生で大阪 二重行政解消、地下鉄値下げ変わるか

11月27日に投開票される大阪市長選挙。10月21日には、橋下徹大阪府知事が「大阪都構想」を掲げて出馬宣言する。橋下市長が誕生し、府知事選でも橋下氏を支持する候補者が当選すれば、グッと現実味を増してくる「大阪都構想」。もしこの構想が実現すると、大阪はどう変わるのか。

日本の自治体の中で、「都」の名称を持つのは東京都だけだ。もちろん「首都」の意味もあるが、大雑把にいって、他の道府県が下部自治体の市区町村に対して持つ権限が主に監督権だけであるのに比べ、都は23区の行政に自らかかわっている。

2010 年3月に維新の会が発表した大阪都構想では、府下に2つある政令指定都市、大阪市と堺市を解体し、それぞれ8つと3つの区に再編。府全体では30万人規模の特別自治区を20区つくり、東京都と同様、区の行政権を「大阪都」が掌握する。これによって、たとえば府の収入である税金についても、市区町村が徴収してその一部を府に上納する現在の仕組みから、府が直接、徴収する仕組みに変更できるのだ。

東京都の場合、固定資産税などを一括徴収し、その45%分を都の歳入にし、残りの55%を23区に分配。代わりに消防や上下水道などを東京都が一元管理し、行政運営の効率化を図っている。

大阪都の仕組みもこれと似た構造にして、「都」の権限を強くするとともに、経費削減を目指そうというわけだ。

「都と区の役割分担をしっかり決め、金を稼ぐとか、港湾や道路の整備といった大きな部分は大阪都が担い、区は福祉や教育など、区民に身近なことを担当していけばいい」

と語るのは大阪維新の会市会議員団幹事長の美延映夫氏。

しかし、これまで政令指定都市として“独立独歩”を自認し、府と競い合ってさえきた大阪市と堺市側は猛反発。とくに大阪市は人口267万人を抱える大都市だけに、平松邦夫市長(62)を筆頭に一歩も退かぬ構えでいる。

大阪市が反対している限り、大阪都構想は前に進まない――橋下氏が府知事の座を捨ててまで大阪市長を目指すのは、そう見切ったからにほかならない。

※女性セブン2011年11月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト