女性に特有の婦人科系疾患のひとつに子宮内膜症があるが、どんな病気なのだろうか。成城松村クリニックの院長・松村圭子さんが解説する。
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子宮内膜症は、本来は子宮の内部にあるはずの子宮内膜組織が、他の場所にできてしまう病気。
内膜組織は月経の周期に合わせて増殖し、出血するので、生理痛が尋常ではありません。排便痛や性交痛も典型的な症状のひとつ。性交のときに膣の奥に痛みを感じたら内膜症を疑ってみるべきでしょう。内膜組織が卵管に癒着して卵管が閉塞すると、不妊の原因にもなります。
子宮内膜症のうち、内膜組織が子宮筋層にできたものを子宮腺筋症といいます。筋層が肥大化するので子宮筋腫との鑑別が難しい場合もあります。
また、ブルーベリー斑は米粒大から小豆大くらいの赤色や赤紫色の小さな子宮内膜組織が無数にできたもの。
治療法は大きく分けて、薬物療法と手術のふたつ。薬物療法ではピルを使って内膜症の進行を抑えます。
薬物療法で症状が改善しない場合は、手術をします。手術には病巣部分だけを取り除く方法のほか、再発しないよう子宮や卵巣をすべて切除する方法もあります。
※女性セブン2011年11月3日号