東京・目黒区大岡山にあるキックボクシングジムを、一人の女性がふらりと訪れたのは、まだ厳しい暑さの残る9月のことだった。
「あの~」
やや低いトーンのその声に振り返った関係者や練習生たちは、思わず練習の手を止めた。そこにいたのが、女子プロゴルファーの古閑美保(29)だったからだ。
「事前の連絡もなく、突然一人で現われて、入会金と月会費を1年分、現金で払っていったそうです。なんでも、『私、カードを一切持ってないので、現金でいいですか』といっていたとか(笑い)」(ジムに通う練習生の一人)
今シーズン限りでの引退を発表した古閑は、10月5日の会見で「引退後はキックボクシングやベリーダンスをやってみたい」「転身じゃなくて趣味ですから。オファーが来たらどうするんですか」などと冗談交じりに語ったが、実はすでにジムに入会していたわけだ。
167センチ、60キロの恵まれた体格。ゴルファーとしての腕前もさることながら、少年野球ではエースで4番を務め、ソフトバンクの馬原投手から本塁打を打った逸話もある古閑。運動能力の高さは折り紙付きだ。
ジムの代表者の小野寺力氏に話を聞くと、
「確かに古閑さんは入会しています。引退発表の前に2~3回来られました。打ち方や蹴り方を教えて、徐々に上達を見ながらミット打ちをするんですけど、まだまだ人に見せるレベルではありません。まぁ、趣味的に体を動かす程度ですし、騒ぎ立てる感じではないですよ(笑い)」
とはいえ、先の練習生によると、最後に来た時に「ゴルフを引退するまではゴルフに集中したいので、引退したらまた来ます」といい残して帰っていったというから、古閑の方は趣味には終わらせたくない様子だ。
キックボクシングのリングに立つ古閑の姿に早くも胸が膨らむが、別のジムの関係者からはこんな話も。
「小野寺さんは現役時代、『キックの赤い薔薇』と呼ばれ、強いだけではなくイケメンで人気も高かった。古閑さんも家が遠いのに、わざわざ大岡山まで来るのは、小野寺さん狙いではと噂する人もいます」
古閑の所属事務所は「古閑は子供の頃からゴルフしか経験がなく、30を前にしてそろそろ趣味を持てばという話をしたからで、キックボクサーに転身なんて200%ありませんよ。イケメンボクサー? その話は聞いていませんが、それなら一層、熱心に通うと思いますよ」と笑うが、果たして本気か趣味か、婚活か。
※週刊ポスト2011年11月4日号