白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏が、不妊症について解説する。
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日本では、妊娠を望んでいるカップルの約10%が不妊症であると報告されている。不妊は「避妊をしていないのに2年以上にわたって妊娠に至れない状態」と定義され、男性側に問題があるケースが約40%、女性側に問題があるケースが40%、両性に問題があるケースが15%、原因不明な場合が5%ある。
最近は環境ホルモンの影響で男性不妊が増えているという報告もあり、1回の射精量が2ミリリットル未満、精液1ミリリットルあたりの精子の数が2000万未満、運動率50%未満、奇形率15%以上で精子異常と診断される。精子自体の障害の中には、精子の数が少ない無精子症や乏精子症、運動に障害がある精子無力症、形態に障害がある精子奇形症がある。
※週刊ポスト2011年11月4日号