カロリー制限不要、1日数粒のサプリメントをのむだけ――サーチュイン遺伝子を手軽に目覚めさせる方法として、注目を集めているのが植物成分「レスベラトロール」の摂取だ。『NHKスペシャル』で紹介されて以来、レスベラトロールを含むサプリメントや化粧品に問い合わせが殺到。ひとつのショップにつき1日1000件を超える注文がはいり、品切れ店が続出している。
レスベラトロールとは、赤ぶどうの皮などに含まれる植物成分で、ポリフェノールの一種。同成分を含んだサプリなどもレスベラトロールと呼ばれる。その効果としては、サーチュイン遺伝子をオンにする働きがある。2006年、ハーバード大で行われたマウス実験では、高カロリー食を与えたマウスと、高カロリー食にレスベラトロールを加えて与えたマウスとの寿命を比較。レスベラトロールを与えたマウスは死亡率が20%も低かったという。
では、その効果はどうだろう? 米メアリー大学で、レスベラトロールの錠剤を高齢者などに1か月服用してもらったところ、血管がやわらかくなり、記憶力も向上したという。サーチュイン遺伝子がオンになったためと考えられるが、はっきりとした因果関係は証明されていない。
このレスベラトロールが最も多く含まれる食品は赤ワイン。醸造過程で皮を取り除く白ワインに比べ、約4倍の含有量があるという。
「他にもブルーベリー、クワの実、クランベリーなどのベリー類、ピーナッツの薄皮にも含まれています。ココアパウダーやインドネシアでよく食べられるメリンジョという食物にも多く含まれています」(順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授の白澤卓二さん)。
レスベラトロールの適度な摂取量は「1日あたりの摂取量の目安は40~100mg」(ハーバード大学医学部客員教授・根来秀行さん)。
しかし、食品の中で最もレスベラトロールを多く含む赤ワインでも、1本飲んで6mg程度しか摂取できないといわれている。一方、サプリの中には、一粒で赤ワイン3本分のレスベラトロールを含むものもある。
※女性セブン2011年11月10日号