45年間の絶縁状態から歴史的和解を果たした香川照之(45)と父・市川猿之助(71)。香川は来年6月に九代目市川中車を襲名して、長男・政明くん(五代目市川團子・7才)とともに歌舞伎界入りする。
2002年に猿之助の元を飛び出していった市川亀治郎(35)も“四代目猿之助”として戻ってくることになった。2003年に猿之助が脳梗塞で倒れ、舞台に立てなくなって以降、最大の窮地に追い込まれていた澤瀉屋(おもだかや)だが、再び全盛期の勢いを取り戻すのは間違いない。
そうなるとうかうかしてはいられないと、梨園関係者の間でいわれているのが、成田屋・市川海老蔵(33)である。
演劇評論家の津田類氏がこう語る。
「澤瀉屋一門は、猿之助さんに鍛えられていて、実力派ばかりですからね。亀治郎さんと(市川)右近さんという二枚看板に、香川さんというネームバリューが加わる。そうなると2年後、歌舞伎座が新しくなるころには、1年のうちに何本かは澤瀉屋一門がメインを張る可能性もあります」
実際、歌舞伎ファンからすでに「来年6月の襲名公演のチケット取れるかしら?」という声が聞こえてくるほど、澤瀉屋は注目を集めている。
「将来、海老蔵は市川宗家の團十郎という、歌舞伎界でもっとも権威ある名前を継ぐ身とはいえ、問題を起こしすぎです。もちろん、いまは海老蔵さん人気に頼らざるを得ない歌舞伎界が守ってくれていますが、これ以上問題が続けば、さすがの海老蔵さんだって、どうなるかわかりません。
それに歌舞伎界としても、他に客を呼べる公演があるならば、海老蔵さんを守る必要もなくなる。つまり澤瀉屋が彼を脅かす存在になっていくわけです」(前出・津田氏)
海老蔵は、香川の長男歌舞伎界入りの最大の理解者で、相談にも乗り、手助けもしてきた。まさかその香川に自分の立場を危うくされようとは、海老蔵自身思ってもいなかったことだろう…。
しかし、それほど香川の歌舞伎界入りの衝撃度が大きかったのも事実だ。来年6月からの歌舞伎界は目が離せない。
※女性セブン2011年11月10日号