テレビのニュースといえば、「大事なニュース」を出すものと思われがちだが、ニュースコーナーも、決して社会的な重大性で決まるわけではない。番組制作会社スタッフが語る。
「やっぱり主婦ウケがいいのは、いい“画”(映像)が撮れるネタ。TPPや年金やったって、政治家の顔ばかりですからね。大火事だったり、山から降りてきたサルやイノシシの捕り物の方がやりやすいんです。荒川に出現したアザラシの“あらちゃん”にはどの番組も飛びついた。動物ネタは女性相手には鉄板の企画です」
その言葉を裏付けるかのように、10月20日の『スーパーニュース』(フジテレビ系)と『news every.』どちらの番組にも「動物」のニュースがラインナップされていた。『news every.』はアメリカでトラ18頭、ライオン17頭が逃げ出したというニュース。「エッ」と驚く内容だけに取り上げるのもわかるが、一方の『スーパーニュース』はもう脱力するしかない。
福岡県で猟友会に保護された2匹の「ウリ坊」(イノシシの赤ちゃん)が子供たちに大人気、だって。福岡といえば、この日は2003年に起きた一家4人殺害事件の被告の死刑が確定した。こっちのほうがニュースだと思いますけどね。
※週刊ポスト2011年11月11日号