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日本生れのフレーバーウォーター 約1年で1億5千万本突破

『みかん』味のように優しい笑顔の小林さん

 今年の夏は猛暑の影響もあり、スポーツドリンクなど汗で失ったミネラル分を補う――といった機能性飲料を意識的に飲んでいた人も多いだろう。夏の水分補給は機能にこだわるところだが、汗はかきにくいものの乾燥する冬の水分補給はどうか?

 冷えを回避するためには温かい飲み物も良いが、エアコンによる乾燥などで、夏と同様に冬でも「スッキリ飲める」ものが欲しくなることも。

 スッキリ飲める清涼飲料水といえばフレーバーウォーターがあるが、2010年7月5日に発売された『い・ろ・は・す みかん』が、発売から約1年の今年8月に1億5千万本を突破したという。1年間に新発売される清涼飲料水の銘柄は、例年1000アイテムほどあるといわれる。最近では期間限定発売などの商品も多くあるものの、消費者に支持され、定番化する商品は1000のうち1~3つ程度。消費者の味の好みも多様化し、バリエーションに富んだ飲み物を提供する飲料メーカーにとって、この倍率はかなり難易度の高い数字だ。そんななか熾烈な競争を勝ち抜いた理由を探るべく、『い・ろ・は・す』ブランドのマーケティング担当・小林麻美さんにお話を聞いた。

――約1年で1億5千万本突破というのは、破格のヒット商品ですよね?

「コンビニ限定販売、600ml以下1サイズでスタート……といった限られた展開のアイテムでは、珍しい数字かと思います。

 インテージ社のデータでも2010年に発売開始した全清涼飲料水のうち、600ml以下の製品ではトップになりました」(小林さん・以下「 」内同)

――CMや広告展開などはほとんどせず、口コミで広まった印象が強いですが、人気の秘密は?

「“みかんの味がしっかりしていて、おいしい”というご意見が多いですね。消費者の方への調査結果からも、リピートされている理由の60%が“おいしいから”と回答されています。ファンの年齢層も幅広く、お子様からお年寄りまで多くの方に、いろいろなシーンで飲んでいただいています。

 またこういったフレーバー系のものは女性が購入されるというイメージが強いようですが、実際には20~30代男性のファンが多いというのも特徴かもしれません」

――フレーバーウォーターではレモンやライムなどが多い中、“温州みかん”をフレーバーに選んだ背景は?

「先行アイテムの天然水『い・ろ・は・す』も発売から97日で1億本突破を果たして、カテゴリでの最短1億本突破記録を樹立した商品です。

 元々ブランドの背景として、“おいしい日本の天然水をお届けしたい”とか“日本らしさ”といったことがあったので、“日本で広く親しまれている果物”ということで『温州みかん』を選びました」

――なるほど……。ちなみに11月3日は「みかんの日」。これから冬に向けて、市場に出荷されるみかんも増える頃ですが、今後の販売チャネル拡大などは?

「自動販売機やスーパーでのお取り扱いも、徐々に増えております。お客様からのお問い合わせでも、“箱ごと購入したい”、“自動販売機で買えるようにしてほしい”といったご要望をいただいており、こうしたご要望にもお応えできるようにしていきたいと思っています」

 なじみ深く、スッキリ飲みやすい『みかん』味というのは、同じ柑橘系フレーバーウォーターがあまり定着していない日本では、意外な盲点だったのかもしれない。

 しかし“日本で広く親しまれている、日本の天然水と相性の良い国産の果物”といえば他にもあれこれ思い浮かぶ。いろいろなところで水を向けてみたものの、きっと存在したであろうフレーバー候補や新アイテムについての質問は、商品の『みかん』味を思わせる優しい笑顔でサラリとかわされてしまった。

 結局のところ「将来、新アイテムが出るのか、出ないのか」については謎のまま、みかん以外のフレーバーとして、あれもこれもいいかも……など、“勝手に新フレーバー構想”が広がるのを止められない記者であった。

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