日本の携帯はおサイフケータイなど日本独自の高機能を備えた「ガラパゴス携帯」(通称ガラケー)と揶揄されてきた。しかし、スマホが席巻する現在でも、「使い慣れたガラケーを持ち続けたい」というユーザーは少なくないはず。
「通信会社は通話より通信機能をメインにしたほうが通信料収入を得られるので、なんでもスマホにしてしまっていますが、音や電波感度など通話においてはまだガラケーのほうが性能は上なのも事実です」(武蔵野学院大学准教授でケータイ業界に精通する木暮祐一氏氏)
通話だけできればいいという高齢者に重宝されるのが「らくらくホン」だが、スマホ全盛時代に生き残れるのか。富士通モバイルフォン事業本部マーケティング統括部の担当者が話す。
「ユーザーはまだ1000万人以上います。らくらくホンで培った技術をスマホに応用しながら、お客様の多様なニーズに応える製品を、スマホとケータイを両軸にして出していきたい」
再び、木暮氏が強調する。
「通信会社やメーカーには、通話機能を見直したユーザー目線の製品を出すことこそ差別化につながるといいたいです」
※週刊ポスト2011年11月11日号