粉モノと聞いて思い出すのがお好み焼き! というわけで、雑誌『料理王国』元編集長の土田美登世氏がセレクトした『ぶち旨屋』(東京・新宿)の「広島産直ねぎかけ肉玉そば」を紹介します!
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広島県出身の私は「広島のお好み焼きって、焼きそばを入れるんだよね」とか「ソースをかけたらみんな同じ味じゃないの?」などといわれると、この人、わかってないな~、と思う。いくつもの工程を経なければならない広島お好み焼きは、一括りにできない、焼く職人の個性がとてもよく出る料理なのだ。ここ『ぶち旨屋』に来ると特にそう思う。
印象的なのは、旨みの強さと麺のカリカリ度だ。熱効率のよい2センチの厚い鉄板の上で生地を薄くのばす。要所要所にとろろ昆布や魚粉をきかせてある。ゆでた麺を鉄板にのせ、時間をかけてじっくりと麺がカリカリになるまで焼く。野菜のジューシーな感じといい、そばの食感といい、すべてがヘラを使ってひっくり返すタイミングで決まるのだ。
基本メニューの「肉玉そば」もいいけれど、広島から直送した観音ねぎをたっぷりとかけた「広島産直ねぎかけ肉玉そば」がおすすめ。トッピングの双子の卵もぜひ。
■『ぶち旨屋』の「広島産直ねぎかけ肉玉そば」 1100円
【住所】東京都新宿区西新宿7-22-34新宿東海ビル101A
【営業時間】17時半~23時
【定休日】日、祝
【カード】不可
新宿駅西口から徒歩10分。人気の広島お好み焼きの店で、昭和のレトロな雰囲気が漂う小さな店内はいつも賑わっていて行列もできるほど。広島出身の主人がじっくりと時間をかけて焼く「肉玉そば(850円)」が焼きあがるまで「とん平焼き(600円)」「広島菜漬け(350円)」などをビール片手につつくのが王道。写真はトッピングの半熟双子月見のせ。3名以上の来店なら予約も可。
撮影■河野公俊
※週刊ポスト2011年11月18日号