りょう(38)、和久井映見(40)、鈴木砂羽(39)が出演するNHKよる☆ドラ『ビターシュガー』(NHK総合・火曜・22時55分~)は、恋愛できない39才の3人の女性を描いたドラマ。
市子(りょう)は1年前に恋人と別れて以来、男っ気がなかったが、偶然、元カレと再会したことで心が揺れる。まり(和久井)は年下の恋人と同棲しているが破局寸前。市子の高校の同級生・奈津(鈴木砂羽)は子育て中の専業主婦。はた目には理想の結婚をしたように思われていたが、夫が失踪し、途方に暮れている。
原作者の大島真寿美さんは、39才という年齢は“女の最後の分かれ道”だという。
「39才は、結婚していない人はまだ相手を探して子供も産めるし、離婚した人ももうひと花咲かせられるし、仕事をバリバリやることもできる年齢。子供を産んだ人なら、子育てが一段落して少し自分の時間が持てるようになる時期ですよね。これが50代だと選択肢は限られてくるけれど、39才はまだいろいろな可能性の中から選択ができる最後の年齢だと思います。そのぶん、どれを選択するかですごく悩む年齢なんです」
いまはかつてより岐路となる年齢があがっていると『ビターシュガー』の後藤高久プロデューサーはいう。
「以前は30になるまでに結婚しなくちゃという意識があったけれど、いまは30代、40代で独身でも珍しくない時代。むしろ人生を謳歌してる女性が増えていますよね。ただ、40代になると今後の人生を考え、出産も含めた生物学的な部分で焦り始めるというのはあると思います。その年代の踏み出せない、ウジウジしたところを描いたドラマがあってもいいかなと思ったんです」
R40世代が恋愛できない理由のひとつとして、“自分のライフスタイル”が確立されてしまっていることがある。著書に『「エコ恋愛」婚の時代』(光文社新書)などがある、マーケティングライターの牛窪恵さんはこう話す。
「ひとり暮らしが長くて、自分なりのこだわりが強く、それに合わない男性と無理につきあわなくてもいいと思う女性は多いです。アラフォーは恋愛がしたくないわけでも、できないわけでもない。むしろ、余計なことを考えすぎて“恋愛の仕方を忘れてしまった世代”なんです」
コラムニストの石原壮一郎さんは、アラフォー女性の葛藤をこう分析する。
「アラフォー世代は20代と違って、これまでいろんな恋愛を経験してきたからこそ、恋愛を面倒くさいものと考えがち。それでいて“恋愛に興味がない”というのは許されないわけです。つまり、“恋愛に興味がない=女を捨てたと思われる”という恐怖心もあるのではないでしょうか」
※女性セブン2011年11月17日号