夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、不動産会社勤務のご主人(47歳)。奥様(47歳)も同じ会社で働いています。
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女房は専業主婦でしたが、子育てもひと段落した10年前から、実の父親が経営する不動産会社で働き始め、3年前から専務に。一方、僕は2年前に勤務先のイベント会社が倒産。女房の父親から「うちで働きなさい」と拾われ、「ただし、一からの出直しだ」ということで、平社員からのスタート。「甘えが出てはいかん」と、女房と夫婦であることも内緒にするよう命じられました。
今は課長に昇進しましたが、地位も収入もずっと上の女房からいつも怒鳴られています。なにしろ、女房は社員から「女帝」と恐れられていますからね。僕に対しても「なんで女の子にコピー取りさせるのよ! お茶も自分で入れなさい!」と手厳しいんです。
「課長、ガマンしてください。あれで専務は結婚しているんですって。あんな女と結婚する男の顔が見てみたいですよね」そうなぐさめてくれる部下に「オレだよ! この顔だよ!」というのをグッとガマンです。
ただ、家庭では全く逆。家事もすべて女房がやりますし、風呂に入れば僕の背中を洗ってくれ、爪切りや耳の掃除までしてくれて、ベッドの中でも従順です。「アナタは亭主なんだから何もしなくていいの」といいながら、会社では「何事も率先してやりなさい!」このギャップは何なんですかねえ。聞いてみたいけど、もしかすると、家庭では猫をかぶっていて、聞いた途端に怒鳴りつけられたらと思うとコワイ!
※週刊ポスト2011年11月18日号