【書評】『ポーカー・フェース』(沢木耕太郎/新潮社/1680円)
『バーボン・ストリート』『チェーン・スモーキング』以来となる長編エッセイ集。
〈かつて、年長の作家と呑んでいて、おまえさんも偽者が出るようになったら大物になったと喜べと言われたが〉、どうやら自分の名を語った偽者が大阪に現われたようで……。
「なりすます」をテーマにした話のほか、長い旅の経験での初めての盗難被害、ヤクザの指詰めの痛さからバカラへの傾倒のわけなど、様々な話題が盛り込まれながら読ませる珠玉の13編。
※週刊ポスト2011年11月18日号